オリジナルの作成:2014/08/31
Arduino勉強会のメンバーの岡野さんに米粒大のAVR ATtiny10を紹介して頂きました。 調べて見るとArduino用にライブラリーを提供している人もいるので、米粒Arduinoを 使ってみることにしました。
ATTiny10に書き込むには、Atmel Studio6を使ってAVR MkIIのファームウェアを書き替える 必要があるのですが、最新の6.2にはtoolメニューにAVR Tools Firmware Upgradeがありません。
そこで、以下のサイトから6.1betaをダウンロードしました。
ATtiny10はとても小さいので、秋月の実装モジュールを運良く購入できました。
変換基板も秋月にありますので、自分でハンダ付けすることも可能です。
最初に用意したのは、ATtiny10へのライターとATtiny10との変換モジュールです。 配線は、 米粒AVR(ATtiny10)をArduino IDEで使う。暫定レポート2 を参考にさせて頂きました。
変換モジュールの結線は、以下の通りです。
AVR MkII | ATtiny10 |
---|---|
1: MISO | 1: D0/A0 |
2: VCC | 5: VCC |
3: SCK | 3: D1/A1 |
5: RESET | 6: RESET |
6: GND | 2: GND |
ピン配置は、以下の画像を参照してください
変換モジュールができたので、正しく動作することをAtmelStudioを使って確かめます。
良く例題にでているのは、D0にLEDを接続するものですが、これではライターを識別できず、書き込めません。 そこで、D2にLEDを接続するように修正しました。
#include <avr/io.h>
#include <util/delay.h>
int main() {
DDRB = 0xff;
for ( ; ; ) {
PORTB |= 4;
_delay_ms(500);
PORTB &= 0xfb;
_delay_ms(500);
}
}
書込には、Tools Device Programmingを選択し、Tool: AVRISP mkII, Device: ATtiny10をセットします。 Production fileでビルドされたelfファイルを指定して、Programボタンを押すと書込が始まります。
書き込む時には、ATtiny10に5Vの電源を供給し、書き込み後はリセット(電源を再度つなぎ直すことで対応) する必要があります。
ATtiny10への電源供給とUSBシリアル変換を行うために、マルツパーツの
【MPL2303SA】超小型USBシリアル・モジュール を使用しました。
MPL2303SAのピン配置は、以下の通りです。
MPL2303SAとATtiny10をつないで、LEDを点滅している様子です。 LED点灯のプログラムで、128Byteになります。ATtiny10のフラッシュは、 1024Byteなので、約1割を使ってLEDの点滅が動いています。
世の中にはすごい人がいるもので、ATtiny10をArduino IDEでプログラミングできるようになりました。 kosakalabの方がその方法を公開されています。
MacとWindowsに対応していますが、ここではMacの方法のみを簡単に整理しておきます。
attiny.zip )をダウンロードし、Arduinoのスケッチが保存されるフォルダーにhardwareというフォルダを作成し、その中に展開したattinyフォルダを入れる
$ cd /Applications/Arduino.app/Contents/Resources/Java/hardware/tools/
$ mv avr avr-original
$ ln -s /usr/local/CrossPack-AVR /Applications/Arduino.app/Contents/Resources/Java/hardware/tools/avr
準備ができたので、Arduino IDEでATtiny10のスケッチを作成し、書き込んでみます。
LED点滅を書き込みます。最初の例題との違いが分かるように点滅時間を短くしてみます。 ledの番号は2を使います。
int led = 2;
void setup() {
pinMode(led, OUTPUT);
}
void loop() {
digitalWrite(led, HIGH);
delay(200);
digitalWrite(led, LOW);
delay(200);
}
実際に書き込んで動作している様子です。
LED点滅だけでは、つまらないのでシリアル通信をしようと 「スケッチの例題」→「04.Communication」→「ASCIITable」 をコンパイルするとエラーになってしまいました。ATtiny10にはシリアル モジュールがないので、当たり前と言えばその通りです。 それでSoftSerialを使って見たのですが、こちらも未対応でエラーになりました。
調べて見るとATtinyでシリアル通信(送信)を実行した人がいらっしゃいました。
ここで紹介されているシリアル関数を使ってArduino IDEからHello World!を表示するスケッチを 作って見ました。
#define led 2
void setup() {
serialBegin();
pinMode(led, OUTPUT);
}
void loop() {
digitalWrite(led, HIGH);
delay(1000);
digitalWrite(led, LOW);
delay(1000);
// 直接文字を出力しないとタイミングがずれて文字化けする
serialWrite('H');
serialWrite('e');
serialWrite('l');
serialWrite('l');
serialWrite('o');
serialWrite(' ');
serialWrite('W');
serialWrite('o');
serialWrite('r');
serialWrite('l');
serialWrite('d');
serialWrite('!');
serialWrite('\n');
}
ここで、タブにTinySerialを追加します。
#include <avr/io.h>
#include <util/delay.h>
#define DELAY 500
// 9600bps
#define SERIAL_TIME_PER_BIT1 104
#define SERIAL_TIME_PER_BIT2 102
#define SERIAL_TX_PIN PB1
void serialBegin() {
CCP = 0xD8;
CLKMSR = 0x00;
CCP = 0xD8;
CLKPSR = 0x00;
DDRB |= _BV(SERIAL_TX_PIN);
PORTB |= _BV(SERIAL_TX_PIN);
}
void serialWrite(uint8_t data) {
PORTB &= ~(_BV(SERIAL_TX_PIN)); // start bit
_delay_us(SERIAL_TIME_PER_BIT1);
uint8_t i;
for(i=1;i;i<<=1) {
if(data&i) {
PORTB |= _BV(SERIAL_TX_PIN);
}
else {
PORTB &= ~(_BV(SERIAL_TX_PIN));
asm volatile ("nop");
}
_delay_us(SERIAL_TIME_PER_BIT2);
}
PORTB |= _BV(SERIAL_TX_PIN); // stop bit
_delay_us(SERIAL_TIME_PER_BIT1);
}
書き込む前に、ATtinyの3番(D1)とMPL2303SAの4番(RXD)を結ぶ線は外しておいて下さい。
ATtiny10への書込が成功したら、上記の線を結線し、MPL2303SAをUSBに接続し直し、シリアルモニターを表示し、9600ボーで受信して下さい。 LEDが点滅した後、Hello World!が表示(たまに文字化けがあります)されます。
ここで、なぜSerialWriteをforループで書かないのか疑問がでると思いますが、Forループの処理を 入れると文字化けしたり、止まったりするのです。
以下がForループを使ったスケッチです。
#define led 2
char *msg = "Hello World!\n";
void setup() {
serialBegin();
pinMode(led, OUTPUT);
}
void loop() {
digitalWrite(led, HIGH);
delay(1000);
digitalWrite(led, LOW);
delay(1000);
for (char *s = msg; *s; s++)
serialWrite(*s);
}
Twitterにこのページを紹介したら、まりすさんからbitDuinoを紹介して頂きました。
コンパイルサイズも小さく、動かなかったForループを使ったスケッチが動くようになりました。 Forループのスケッチは、以下の通りです。
#define led 2
static char *msg = "Hello World!\n";
void setup() {
serialBegin();
pinMode(led, OUTPUT);
}
void loop() {
digitalWrite(led, HIGH);
delay(1000);
digitalWrite(led, LOW);
delay(1000);
for (char *s = msg; *s; s++)
serialWrite(*s);
}